日本ファルコム

ゲーム業界

新海誠氏や高橋哲哉氏を輩出したゲーム会社「日本ファルコム」の対談が濃い!

いつも濃い記事をぶっこんでくる電ファミニコゲーマーですが、日本ファルコムの創業者兼会長と現社長のインタビュー記事が例によって凄まじいのでご紹介します。まず、インタビューワに雑誌『コンプティーク』初代編集長・佐藤辰男氏(元カドカワ取締役相談役)をアサインするというところからして凄まじい。

優良経営で知られる同社ですが、創業者の加藤氏は無借金経営を徹底。CGに力を入れると雇う人を増やす必要があって大変だから、「ストーリーを充実させたゲームを作ること」を目指すことにしたそうです。

物語重視の方向なら、物好きなすごいオタクが1人いればシナリオが作れる。そういう考えもあって、会社は物量勝負の拡大路線ではなくて、アイデア勝負のほうに行ったわけです。

とはいえ、「英雄伝説III 白き魔女」なんかは同時期に発売されたクロノ・トリガーにひけをとらない美しいグラフィックですけどね…!

そうしたポリシーから、リスクの高いコンシューマーには長らく参入せず、PC向けのゲームメーカーとして長く親しまれることになっていくわけです。

ファミコンのカセットはロム基板でしたから、製造までに3ヵ月くらいかかるんだよね。そうすると、ある程度見込み生産をしないといけない。1,000本しか作らなかったカセットは絶対に1,000本しか売れないわけですから。しかも、製造代金は全部先払いで、初期投資として5億円ぐらいは用意しないといけない。

 それに、利益率が非常に低かったからね。ロムはコストがかかるし、任天堂さんの取り分が多かったので……。

また、ファルコムといえば、今や日本を代表するアニメ監督となった新海誠氏が勤務していたことでも有名です。

↑新海氏が制作した『イース 完全版』 オープニング

現在の社長である近藤氏がファルコムを初めて訪れた時に対応したのが入社したばかりの新海誠氏だったそうで、その時のエピソードが次のように語られています。

加藤氏:
 結局、そのメールに誘われて近藤が遊びに来たわけだけど、そのときに応対したのがいまや有名監督になった新海誠なの(笑)。
 近藤の先輩なんですよ、彼。そのときに「会社概要を教えてやって」とか、「一緒に昼飯も食べてやって」とか頼んでね。
当時は一流の大学を出てゲーム会社に入ろうとすると、親御さんに反対されてダメになっちゃうケースがけっこう多かったんだよね。新海くんもそういうところは苦労してるんですよ。最初に入社した建設会社を辞めてウチに来てるわけだからね。それを踏まえて、「お父さんやお母さんの口説き方を近藤に教えてやれ」って言ったな(笑)。
 最初はメンドくさそうだったけれど、最終的には新海くんも割と乗り気になっていたなぁ。

──そのときはファルコムに来て具体的に何をしたんです?

近藤氏:
 当時常務だった山崎(伸治氏)に、入社したばかりの新海さんたちと一緒に、鉄板焼き屋さんに連れて行ってもらいました。普段どういう仕事をしていて、いまはどういう作業をしているとか、最近ファルコムでも3Dを始めたんだとか、そういう話を丁寧にしてもらって、「いい会社だなぁ」と思いました。
 

記事にはほかにもムービーの演出を当時の社長と新海氏の二人で試行錯誤していたエピソードどが書かれており、新海氏もTwitterでそれらの話を懐かしんでいます。

一方で、ネット上ではファルコムが任天堂を嫌っているのではないかといううわさもまことしやかに囁かれていたりもしますが、軌跡シリーズをPSPで出したのはユーザ層を考慮してのマーケティング判断からで、特にそのような事実はないそうです。

近藤氏:
 僕らは別に嫌いどころか、むしろ仲良くしていただきたいと常々思っているのに(笑)。
 DSが流行っていた頃、前社長の山崎と京都にご挨拶に伺っていますから。そのときに、開発を了承していただいたりもしたんですけれどね。(中略)そこまでやっているのに何で「ファルコムが嫌ってる」って言われなきゃいけないの? という(笑)。

あと、個人的に面白いと思ったのがファルコム社員の万能っぷり。各人が専門家ではなく、なんでもやるんだそうです。まさか営業の人間までゲーム開発をしているとは!

たとえばキャラクターのデータを作るのは、モデリング、モーション、エフェクトと、いろいろな作業に分かれていますが、ウチはモデリングをやりながらモーションをやる人間がほとんどですから。中にはモデリングとモーションやりながら、スクリプトという画面の演出をする人間もいますし。

加藤氏:
 ウチは営業で入った人間がスクリプトを書かされたりするので(笑)。

近藤氏:
 『軌跡』シリーズ最新作の演出スクリプトも、営業の人間が作っていますし、その人はサーバーの管理もやっています。

加藤氏:
 一番わかりやすい例が、ウチはFacebookやTwitter、ホームページの担当者がいないことだね。勝手にその辺の人たちが発信しているから(笑)。

現在の大手ゲーム会社も昔はなんでもアリだったとよく聞きますが、そうした古き良き日本のゲーム開発スタイルを今もなお貫いているんですね。

ということで、超濃い内容ですので、ぜひとも元記事を読みつくして欲しいです!

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