1993年8月6日に発売された「聖剣伝説2」ですが、そのオープニングデモは多くの人の心をひきつけ今なお語り継がれています。今回、作曲の菊田裕樹さんがTwitterで、あの曲「天使の怖れ」はどうやって生まれたのか、当時の貴重なメモとともに明らかにしています。また、当時スクウェア入社したばかりだった現スクエニ・杉本浩二さんがプログラムの秘密も明かしました。
それによると、あのオープニング曲はまず映像が先に作られ、そのタイミングにあわせて曲を作曲したとのこと! 画面が黒い文字だけの状態からグラフィックが表示されるタイミング、さらに鳥の群れが飛んでくるタイミングが見事にマッチしているのはそのおかげなんですね!
聖剣伝説2のオープニングは、実際にスーファミで動く映像が出来てから、時間とタイミングを計測して、それに合わせて「天使の怖れ」を作曲しました、当時の資料を見ると、1分5秒に鳥が飛ぶ、なんて書いてあります。 pic.twitter.com/EIrRmnMZje
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 20, 2019
さらに、スーパーファミコンとは思えないあの美しい1枚絵は、なんとデコードに1分もかかる超圧縮技術で圧縮されているそうです! スーパーファミコンの限られたROM容量に押し込むためには、圧縮する必要があったんですね。しかし画像を展開処理しはじめてから画像が表示されるまでに1分もかかるので、それまでの間にロゴや文字表示などで時間を稼いでいるとのこと。
聖剣伝説2のOP、技術的に熱いポイントは、後ろの一枚絵がJPEG的な非可逆アルゴリズムで高圧縮されている所。
全展開に1分程かかる激重計算で、リセット直後から文字やワイプで時間稼ぎしながら、裏では画像下から上に向かってデコードし続けてる。プログラマ吉枝さんの仕事。https://t.co/8ChaoWNrzz— Koji Sugimoto (@k_sugimoto) October 22, 2019
というわけで、その1分間のおかげで「天使の怖れ」の長いイントロ部分が生まれたことになります!まさに、音楽・美術・技術の絶妙なコンビネーションで成り立っているんですね。
菊田さんのTwitterにはそのほかにも聖剣伝説2に関するたくさんの裏話が投稿されています。
SAMPLEって書いてありますぜ!開発完了して発売した当時にもらったサンプル版だね! pic.twitter.com/ylb4Dr0Ver
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 20, 2019
聖剣2開発時、データ整理のために紙に楽譜として出力した、最後から二番目の真実、当初のデータ名はAMAZINだったということがわかる、全曲、こんな風に楽譜にして、細部をチェックしてから、実際のデータに打ち込んだのだった。 pic.twitter.com/WwWI8zWxM9
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 18, 2019
ひとつのトラックの中で、順に、ストリングス→ブラス→ベースと音色を切り替えたりしてる、それは全部、データを組む時に、手でコマンドを打ち込んでいるんだよな、もちろん僕が自分でやっているよ。 https://t.co/fXLir0GcZ6
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 18, 2019
聖剣伝説2の楽曲をCD化した時の曲順表、曲ごとの元データの名前が確認出来ますね、だいたい適当に付けたものですが、今見ると面白い、ちなみにCDは、スーファミ実機をレコーディングスタジオに持ち込んで、直接録音しています。 pic.twitter.com/QLEQNA5qfz
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 20, 2019
これは面白い!聖剣伝説2のCDを作る時に、僕が曲名を付けた、そのアイデア稿!すっかり忘れてたけど、今と違う名前が付いているのもあるね、「いつもいっしょ」が「つれていって」になってる!「呪術師」が「邪神」だったり! pic.twitter.com/S5TQC4IjRj
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 20, 2019
スーファミの音楽データというのは、トラックごとに完全に分かれていて、何小節目、みたいな概念もないので、何処かで表記ミスをすると、後からそれを発見して修正するのがとんでもなく大変で、だから、完全に間違いがないぐらい事前チェックしてから、最終データを構築するようにしていましたね。
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 18, 2019
スーパーファミコンの時代というのは、ちょうど、左右にスピーカーのついた、ステレオ音像テレビの普及時期で、音も綺麗に再生できるようになったし、聖剣2の音楽も、左右の音の広がりが、すごく大事だと思ったんで、だから楽器ごとの左右の定位は、細かく細かく設定しましたよ。(^□^
— 🎃菊田裕樹 Hiroki Kikuta @Indivisible @Last Labyrinth (@Hiroki_Kikuta) October 18, 2019



















面白いですねえ。海外版ではこの1枚絵の一部分しか表示されないみたいですが、職人技で実現しているとなると難しかったのでしょうね。聖剣2の技術者といえばナーシャというイメージですけど、スタッフの皆さんひとりひとりの技と努力の結晶だということを思い知らされます。
容量や技術が限られている時代のほうがアイデアで解決するために様々なことにチャレンジしていて面白いですね。