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FF7のOPからEDまでをオーケストラで再現したコンサート 「交響組曲 ファイナルファンタジーVII」が凄すぎた…!

FF7ロゴ

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プロの演奏家によるゲーム音楽のコンサートを企画・制作する集団「GAME SYMPHONY JAPAN」の第一回定期演奏会に行ってきました。お題は「交響組曲 ファイナルファンタジーVII」。 FFの作曲を手掛けてきた植松伸夫さんをゲストに迎え、FF7のオープニングからエンディングまでをオーケストラの演奏で再現するという無茶な企画です! >>続き
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会場となったのは日本のクラシック音楽をけん引してきた、あの「サントリーホール」。まさかここでゲーム音楽を聴ける日がこようとは!

指 揮:志村健一|Kenichi Shimura
管弦楽:東京室内管弦楽団|TOKYO Chamber Orchestra
    as GSJ名誉管弦楽団(オーケストラ・オブ・オナー)
合 唱:東京混声合唱団|Tokyo Philharmonic Chorus 
    as Game Symphony Japan Chorus
バンド:マイネマイヌク|Meine Meinung


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演奏曲目は次のとおりです。

第1部 (編曲 竹岡智行)

・オープニング ~ 爆破ミッション ~ 魔晄炉 ~ 爆破ミッション
・教会に咲く花~ 急げ! ~ 闘う者達 ~ ファンファーレ
・神羅カンパニー ~ 血の跡 ~ 更に闘う者達 ~ クレイジーモーターサイクル
・F.F.VIIメインテーマ

第2部 (編曲 鹿野草平)

・5年前のあの日 ~ 星に選ばれし者
・ゴールドソーサー ~ 花火に消された言葉
・不安な心 ~ 俺は…誰だ ~ エアリスのテーマ
・絶望の淵から ~ 山の向こうに ~ 空駆けるハイウインド
・星降る峡谷 ~ 想いを胸に ~ 生命の流れ
・悪夢の始まり ~ J-E-N-O-V-A

第3部 (編曲 木村裕)

・北の大空洞 ~ 最期の日 ~ リユニオン ~ 完全なるジェノバ
・神の誕生 ~ 片翼の天使
・星の危機 ~ スタッフロール
 

アンコール
・ルーファウス歓迎式典
・再臨: 片翼の天使 ~Advent: One-Winged Angel~

プログラムがストーリーの進行に合わせて構成されているのがおわかりいただけると思います! 人気曲だけでなく、マイナーな曲もたくさん入っているのが、これまでのコンサートとと一線を画すところで、編曲はこのコンサートのために新しく行われています。

編曲を行ったのは、芸大など一流の音楽大学を出た若手の編曲家3人。もちろん全員FF7はクリア済。それだけに、原曲のツボを心得た実に気持ちいいアレンジになっていました。

例えば、これまでのFFコンサートでは定番曲「片翼の天使」や「エアリスのテーマ」は、スクエニのアルバム「リユニオントラックス」に収録されている浜口史郎氏による編曲が演奏され続けてきました。しかし今回のコンサートではその譜面を使わずに新しく編曲。これまでよりもPlayStationの原曲に近いものとなっていました。

編成は180人の大編成で、オーケストラ、合唱団、バンド、そしてパイプオルガンまで。ボスバトル曲の「更に闘う者達」ではロックの原曲の良さをそのままに、エレキギターとオーケストラの共演が実現。「神羅カンパニー」も原曲同様にコーラスが入って、ミッドガルの重工業な雰囲気をよく再現していました。さらに、ムービーなどに登場する効果音までもオーケストラで再現!目を閉じるとゲームのシーンが思い浮かぶようでした。

エアリスのテーマでは、ムービーシーンで水中に落下したマテリアが跳ねるタイミングにあわせて効果音が。そんな演出されたものだから、うわああああーー!!と、エアリスがーーー!!!指先がチリチリ、口の中はカラカラになりました…。

コンサートが最高潮となったのはやはりラストダンジョンからラスボス戦を経てエンディングに至る一連の流れ。激しいバトル曲の連戦、そして片翼の天使。さらには、サウンドトラックには収録されていないクラウドとセフィロスの一騎打ちのシーンまで。

スタッフロールの最後にシリーズ通してのメインテーマ「ファイナルファンタジー」が流れてフィナーレを迎えると、会場は割れんばかりの拍手に。しかし、まだ終わらんよ!と志村さんが手で合図。「Five hundred years later」のムービーシーンを再現し、レッドXIIIが岩場に上り、ミッドガルに聞こえる鳥のさえずりで物語は終わります。このこだわりには脱帽。

アンコールは「ルーファウス歓迎式典」をウィーンフィルのニューイヤーコンサートばりにみんなで手拍子したあと、エレキギターと合唱を加えた「再臨: 片翼の天使 ~Advent: One-Winged Angel~」。合唱団は生声なのでエレキギターの大音量にかき消され気味でしたが、コンサートの最後を飾るにふさわしい大盛り上がりの曲となりました。

演奏も素晴らしかったですが、もうひとつ素晴らしかったのがパンフレット。植松さんへのロングインタビューが掲載されているのですが、17年経って初めて明かされるFF7のエピソードが語られています。管理人はこんなFFファンサイトを14年運営していますけど、ハイドンの「天地創造」がミッドガルでなぜ流れるのかなど、知らなかったエピソードがいろいろ書かれていて驚きでした!

ということで、FF7への愛にあふれまくった非常にハイクオリティのコンサートでした。ファンの視点と、プロの技術をあわせもった凄いコンサートだったと思います。ゲーム音楽のプロオーケストラというのは維持が難しいということがわかってきている昨今にあって、「GAME SYMPHONY JAPAN」の採用した「プロデュース」に徹するという方法は正しかったのだと確信しました。第二回定期演奏が今から楽しみでなりません。

※本公演の再演は2014年冬に予定されているとのことです。

【過去の演奏レポート】
リトルジャックオーケストラFF5コンサート(2012年)
リトルジャックオーケストラFF9コンサート(2013年)
(志村健一さんが指揮するアマチュアコンサートのレポートです)

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