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NTTや東大らが共同開発した初の国産量子コンピュータ、インターネットで来週から無料公開!

量子コンピュータ

NHKが報じたところによると、NTTや東京大学、国立情報学研究所らの共同研究チームが開発した初の国産量子コンピュータが、来週からインターネット上で無料公開されることになったそうです。世界中の研究者がその計算力を利用することができるわけです。

量子コンピュータは、次世代のコンピュータとして期待されている技術で、日本も昔から研究を進めていますが、米国ではGoogleやIBM、Microsoftが開発を進めており、IT業界での開発競争になりつつあります。

従来のコンピューターでは、半導体の電圧で「0」か「1」の情報を表現し計算処理を行いますが、この量子コンピューターでは、全長1キロのループ状の光ファイバーに光の粒を大量に入れ、この光の粒が「0」であると同時に「1」でもあるという量子力学の特殊な物理現象「重ねあわせ」を応用することで超高速の計算を行います。

というのがNHKによる量子コンピュータの説明ですが、これの何が嬉しいかというと、0の場合と1の場合の結果を瞬時に得ることができるからです。 組み合わせが1000通りある中で最適なものを見つけたいときには、現在のコンピュータは順番に1個1個計算していって、1000回計算したあと「ああ、これが最適だね」って答えに至るわけですが、量子コンピュータは1回でドンと答えを出してしまうイメージです。

プログラム・マネージャー山本喜久氏によるコメントは次の通り。

量子コンピュータを実現するハードウェアとしては、ゲート型、アニール型、ニューラルネットワーク型の異なる3つのアプローチがあります。インターネットを介して実機を体験できるクラウドウェブサイトとしては、IBMがゲート型15ビットマシンを、D-WAVEがアニール型2000ビット、12000結合マシンを今年に入って次々と公開しています。また、Googleも来年春にはゲート型49ビットマシンを公開する予定です。今回、日本から公開されるニューラルネットワーク型2000ビット、400万結合マシンは、世界最大規模の量子コンピュータであり、これまでの限界を30倍以上拡大した2000ビットまでの組み合わせ最適化問題が解けます。創薬におけるリード最適化、無線通信における実時間リソース最適化、圧縮センシングにおけるスパース推定、機械学習におけるボルツマンサンプリング、その他、スケジューリング、ハードウェア検証、ソフトウェア検証、など現代コンピュータの限界で技術革新が止まっている様々な分野でブレークスルーを起こすことが期待されます。

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