植松伸夫さん

ゲーム音楽

FFの音楽の父、植松伸夫さんロングインタビュー!「片翼の天使みたいなのを作曲するのは簡単。ハッタリをかましておけばいい。」

長大な記事が多い電ファミニコゲーマーに植松伸夫さんのインタビュー記事が掲載されましたのでご紹介します。幼少の頃より彼を追っているワタクシですが、これほどまでに幼少時代の話が語られているのはおそらく初めてのことではないでしょうか。

ここ10年ほど積極的にFFのコンサートを手掛けている植松さんですが、オーケストラで演奏することに対しては次のような怖れを持っていたそうです。

 たとえば『FF』の音楽がブラームスに勝てるわけないんですよ。音楽の力、歴史、説得力では勝てない。
 ブラームスをいつも演奏してもらっている人に演奏してもらうことで、「ゲーム音楽ってスゴいんだぜ? ファミコンの時代とは違うんだぜ?」といった感じに若い作曲家が思ってしまったとしたら、この先ゲーム音楽って発展していかないでしょ? 僕はそれがいちばん怖いんだよね。

つまり「ゲーム音楽はオーケストラという名前に乗っかってその地位を高めようとした時期があった」と。ここ3年ほど行われている吹奏楽コンサートツアーのBRA BRAファイナルファンタジーでは、これを払しょくするために、

オーケストラの力をちょっと拝借して、ゲーム音楽に箔のようなものをつけるよりかは「ゲーム音楽のコンサートって単純に楽しいよね」というものを伝えたかったんです。

とその意図を語っています。

かなり強い言葉を使いつつも、柔らかい物腰で話す語り口はいつもの植松節で、長い記事ですけどあっという間に読んでしまいます。氏の昔のインタビュー記事ではクラシック音楽など学術的に裏付けられたハイカルチャーな音楽に対してのコンプレックスが垣間見えたりしていましたが、今では上記のように自分の道を見つけられているようです。このインタビューでは、そんな同氏が高知県での幼少時代をどう過ごし、どんな音楽に出会ってきたのかが語られています。

実家の応接間にはクラシック全集など『親が見栄を張って買った』レコード盤が置いてあったそうで、よく聴いていたんだそうです。交響曲は当初は嫌っていたものの、周囲の勧めるチャイコフスキーの「交響曲第6番」を何度も聴くうちに突然、「解った」瞬間が訪れたとのこと。

僕は、その人にとって馴染む音楽っていうのは、その音楽をどれくらい耳にしたかが大事だと思っているんです。1回聴いた音楽よりも200回聴いた音楽のほうが好きになるに決まってるんですよ。だからチャイコフスキーも解るまで聴いてやろうと思って。学校の行き帰りもウォークマンで聴き続けて、ある日突然解ったわけです。
 「クラシックの作曲家ってこんなことをやっているんだ」と解ると、あとは楽。苦手意識のあった交響曲が、どんどん聴けるようになりました。

そこから、ジャズや民族音楽など様々な音楽に触れていったそうです。また、ロック音楽に関しては中学校時代に通っていたレコード店の店員さんを師匠として、いろいろ仕込まれていたそうです。他にも映画音楽やプログレなどに話は展開していきます。

音楽理論よりメロディなどの気持ちよさを重視する植松さんの音楽スタイルの原点は、プログレの中でも、エマーソン・レイク&パーマーの『タルカス』にあるそうです。

いまはプログレ好きっていうとマニアックな見かたをされるけど、僕らの時代はそれくらい売れていたんです。同じ年代の音楽好きは、エマーソン・レイク&パーマーの『タルカス』にやられていますよ。
 当時はああいう音楽がなかったですし、いまだにどこからきた発想なのかが紐解けない。
 僕の「楽典に縛られないで自分が気持ちのいいところにいけばいいんだ」という考えは、まさに『タルカス』の影響ですね。
 楽典縛りで考えると、僕の音楽なんか行っちゃいけない進行とかいっぱいあるからね。でも、何百年と続いたクラシック音楽の楽典から離れた音楽が『タルカス』から始まったと思えば、ゲーム音楽における僕のやりかたもありなのかなと思うわけです。

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そして、話は日吉の貧乏下積み生活を経て、どうやってゲーム音楽を作曲しているのかに移っていきます。印象的なのは、片翼の天使を若干ディスっている次の言葉。

そうだね。とはいえ、『片翼の天使』のような曲を作るのは簡単なんです。ハッタリをかましておけばいい。例えばテンポは150くらいにして変拍子と転調を入れ、あとはみんなを驚かせるギミックをひとつふたつ用意しておけば大丈夫なんです(笑)。
 でも、『牧場の少年』のように自分の素が出そうな曲のほうが慎重になりますよね。

ゲーム業界における作曲家へのオーダーの出し方にダメ出しをした後、これからのゲーム製作には音響監督が必要だと進言しています。

ゲームにはそろそろ音響監督が必要だと思うんです。作曲家が作った音楽をディレクターが貼り付けて、それを客観的に見る人がいてもいいんじゃないかなと思う。
 たとえば「この街に入ったとき、8小節目から鳴らしてるけど、16小節目のサビから鳴らしたほうがいいよ」とか、そういうアドバイスができる人ですね。
 プロデューサーでもディレクターでもない、音を俯瞰できる音響監督が必要になると思います。これいま、相当いいことを言ったな……。

ということで、ほんの一部を抜粋しつつご紹介しましたが、とっても濃い内容のインタビューになっていますので、ぜひ全文をご覧ください!

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コメント

  • コメント (4)

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    • 匿名
    • 2018年 6月 01日

    植松さんの旋律は「判りやすい・耳に馴染みやすい」というのが特徴で、ファミコン時代が顕著でした。

    • 匿名
    • 2018年 6月 01日

    みんなに好かれる名曲って割と短時間でパパッと作った曲が多いらしいね

    • 匿名
    • 2018年 6月 03日

    当時にあのタイミングでFF7のボスのテーマとして作ったことに意味がある

    • 匿名
    • 2018年 6月 09日

    片翼の天使を簡単に作れるから天才なんだな

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