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吉野家の「牛すき鍋膳」が成功し、すき屋の「牛すき鍋定食」が大失敗した理由

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すき家がこのような事態になってしまった理由は、経営層が「労時売上」を重視しすぎていたのではないかという指摘。興味深い考察だったのでご紹介します。具体的な事例として、吉野家の「牛すき鍋膳」が成功し、すき屋の「牛すき鍋定食」が大失敗した理由を解説しています。 詳細はリンク先をみていただきたいのですが、ほんの一部を抜粋。

ゼンショーは「労時売上(人時売上)」をあまりに細かく追いすぎている。人時売上は大手の飲食業で見ていないところはないくらいに重要な経営指標だが、すき家はこれがあまりに強力な必達目標として設定されているのが特異過ぎる。

たとえば吉野家は人時売上ではなく、「人時客数」という独自の指標をみている。カウンターのクルー1人1時間あたりに何人を接客できたかというものだ。なので、人時客数の最大の焦点は「クルー動作の効率」にある。売上はそれに続いて付いてくる数字として見ている。

昨年末に吉野家が「牛すき鍋膳」を投入する前、社内で侃侃諤諤だったのはまさにここだった。牛丼に比べて手間が増えるので、人時客数の低下圧力が大きい、と社内の抵抗は大きかったという。これに対して開発部門は什器の専用化やセントラルキッチン側の対応強化で、人時売上の低下を抑え込む、とした。

すき家は労時売上を重視するあまり、「店を回せるか」という観点が経営層レベルから完全に欠落していた。なので、新商品投入時に「店をまわせない」レベルの欠陥商品を押し付けてしまい、しかもそれが自社の屋台骨をへし折る可能性に全く思い至らなかった。

ということで、数字(KPI)ばかり追いかけていると、数字に表れないところで現場が壊れてしまってもそれを察知する能力が組織としてなくなっちゃうよー、ということを教えてくれた好例です。数字は、それが持つ意味を常に考え、裏の可能性を想像しながら読まないといけないわけです。必要であれば吉野家みたいに違うKPIを追加して立体的に物事を見る、と。(togetter)

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