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FF11とセガPSO開発スタッフが対談!「電話回線エミュの自作用に秋葉原でパーツ購入からPSO開発は始まった」

FF11と双璧をなす日本産のオンラインRPGといえばファンタシースターオンライン。FF11公式サイトにて、両者の開発スタッフの対談企画がスタートしました。第一週目は入社までの経緯をそれぞれ語るパートでしたが、第二週目になり本格的にオンラインRPG開発の中身に話が進んでいます。

強烈なのは、PSO開発の最初のところ。

節政 まず、ネットワーク環境を作ることがたいへんでした。電話回線を使用して電話をかけ、モデムを通して接続していたので、まずは電話回線エミュレーターを自作するために秋葉原でパーツを買ってくる、というところから開発がスタートしています。PCにモデムを複数接続しなければいけなかったので、8つくらいに分岐するコネクタを用意して、Linuxのドライバーをカーネルコンパイルして(※)……といったような、昨今のゲーム開発の現場ではほぼやらないであろうことをしていた記憶があります。

松井 ほとんど工作というか、自作作業からの始まりだったのですね。

節政 はい。加えて、わからないことがあっても、質問に答えてくれる人がいなかったので、けっきょくすべて自分でやるしかありませんでした。そうやってまずは環境を構築して、つぎは実際にネットワークにパケットが通るかどうかを実験して……といったように、手探り状態でしたね。当時はネットワークに関する教則本のようなものもほとんどなくて、たいへんでした。

当時はまだインターネットが一般的ではなく、技術情報も限られている中で、開発デバイスをハードウェアのレベルで自作していたんですね!

当時、ドリームキャストに通信モデルが搭載され、それで初めてインターネットに触れたみなまさも多いのではないでしょうか。

ネット環境も帯域が狭くめちゃくちゃ遅かったので、ゲームの設計にも大きな影響を与えていたようです。

節政 ドリームキャストに搭載していたモデムの通信速度は33600bpsで、バイトにすると秒間せいぜい4Kバイトくらいしかなかったのです。ですので、ゲーム内の全部のオブジェクトと同期を取ろうとするのはまず無理でした。さらに、キー入力などが集中するとどうしてもラグでカクついてしまい、それが嫌だったので、“どこまで非同期でゲームを作れるか”というところから考えました。たとえば、あるプレイヤーの画面と別のプレイヤーの画面ではエネミーの見える位置が違っていたとしても、お互いの画面は見えていないからまあいいだろうとか(笑)。そういった感じで妥協点を探りつつ、なんとか出来上がったという感じです。

今のFF14でのプレイヤーの同時表示なんかは当時からすると考えられない世界でしょうね…!記事にはプロバイダの「isao」の話とか、めっちゃ懐かしい話がてんこ盛りですので、インターネット黎明期の空気感に浸りたい方はぜひ読んでみるとよいかと思います!

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